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ミャンマー新大統領が就任 スーチー氏も出席

ミャンマーの新大統領に選ばれたティンチョー氏(69)の就任式が30日午前、首都ネピドーで行われました。
ティンチョー氏は国民民主連盟(NLD)を率いるアウンサンスーチー氏の側近。NLDが絶対多数を獲得した昨年の総選挙を受け、今月国会での投票で選出されました。

同氏は、これまで5年間の任期中に大幅な民主化改革を進めたテイン・セイン大統領に代わり、ミャンマーで56年ぶりとなる文民政権を率いることになります。

就任式にはスーチー氏も出席しました。同氏は外国籍の息子2人がいるため、軍政下で制定された憲法の規定では大統領にはなれません。軍部は今も全議席の25%を占める制度となっており、憲法改正への拒否権も有するため、この条項が修正される見込みはありません。

ティンチョー氏とスーチー氏は同じ高校の出身で、長年の親しい間柄。新政権にはスーチー氏の意向が色濃く反映される見通しです。

長期自宅軟禁など軍事政権の弾圧を乗り越え民主化を進めてきたスー・チー氏の次なる目標は、自身の大統領就任を阻む憲法の改正です。議会での軍人議員枠などを認めた現憲法を守りたい国軍との攻防は、激しさを増しています。

新大統領に就任したティン・チョー氏の議会演説は約4分と短く簡潔でした。施政方針を「国民の和解、国内の平和、民主的な連邦制を導き生活水準を向上させる憲法の姿」と言い切りました。ずばり改憲です。

「国民の希望に沿うために」との言葉からは、高い人気で昨秋の総選挙を圧勝したスー・チー氏が大統領として国を率いるべき、との信念がにじみます。

演説に続く閣僚らの宣誓式でスー・チー氏は、制服姿の国軍指名3閣僚と並びました国政改革で対峙(たいじ)が予想される両者が、かりそめの調和を演出した格好だ。

NLD幹部は今年に入り、子供が外国籍の人物の大統領就任を禁じた憲法条項の一時停止で、息子が英国籍のスー・チー氏の大統領就任に了解を得ようと、国軍側と秘密交渉しました。

しかし、国軍側は見返りに利権ポストなどを要求。NLD関係者は「裏取引を危険と判断したスー・チー氏は、正面からの憲法改正を決断した」と語っています。2月の会談でミン・アウン・フライン国軍総司令官にスー・チー氏のこの覚悟が伝わると、「最悪の雰囲気となった」といいます。

総司令官は27日の国軍記念日で演説し「軍は国の安定を保つ。国政でも主導的な役割を担う」と強調。自身の定年を5年間延長して次期総選挙まで憲法を堅持し、スー・チー氏の大統領就任を阻止する構えです。内戦をめぐる少数民族武装勢力との和平交渉も道半ばで新政権の課題となります。

大統領官邸では30日、新旧大統領の引き継ぎ式が行われ、中継映像では、両者はにこやかに握手を交わしたが、立ち会ったスー・チー氏と総司令官が歩み寄る様子は見られませんでした。


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